※死ネタ注意!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめて・・・・・・!!!」

 

足元に落ちていたガラスの破片が、少女に踏まれて再び音を立てて割れた。

 

値は張らないが、綺麗な花瓶だったのに。と少し離れたところに立っていた青年は青い瞳を悲しそうに細めた。

 

「ねぇ、小狼!・・・小狼・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」

 

少女が苦しげに一人の少年の名を叫ぶと、そのまま泣き出して、崩れ落ちてしまった。

 

その様子を見て、慌てて青年が駆け寄ると、軽い寝息を立てているので、慣れた様子で、ふわり、と少女を抱きかかえた。

 

幸い、ガラスの破片は少女の体には触れていないので怪我は無い。そのことを確認すると、ふう・・・と軽く息を付いて、そのまま寝台へと横たわらせる。

 

顔にかかった髪の毛を払いながら、青年は思いを馳せた。

 

心が綺麗過ぎるゆえに、自分のために投げ出された命に心を壊した少女。

 

心で思いすぎるゆえに、少女のために命を投げたして死んでしまった少年。

 

それは残酷すぎる、矛盾だった。

 

つぅ、と涙が少女の目からあふれて、そのまま重力に逆らおうとせずに滑り落ちた。

 

あの時、自分があの場所にいて、身代わりになれたのなら。

 

「ごめんね・・・・」

 

そう呟いて、青年は部屋を出た。

 

 

 

いつもの様に、部屋には壊れた物が散らばっていて、少女が横たわっていた。

 

ちらりとその様子を見ると、赤い眼をした青年はひどく悲しそうに眼を細め、ドアを閉めた。

 

まるで、この現実が受け付けられないとでもいうように。

 

しかし、確かに“今”は青年の心を侵食していて。

 

いつものように、と考えてしまったことに対してひどく罪悪感を覚えて、頭を軽く振った。

 

 

「夜になると、情緒不安定になるな。」

 

「そうだねぇ〜。昼間はがんばるんだけど」

 

まぁでもがんばりすぎて貰っても困るから。といって乾いた微笑を浮かべた。

 

「小狼君は、今、悲しいかな」

 

「・・・・・・・・・」

 

二人して仰ぎ見た空は当然壁に隔たれて、まったく見えなかった。

 

 

 

 

 

 

人のがあることで、

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